離婚 2021.08.19
婚姻届を出していない内縁の間にお生まれになったお子様の養育費は,請求できます。その手順について説明します。
まず,法律の上でも,父と子の関係(父子関係といいます。)があることを認める制度があります。これを認知といいます。法律でも,父子関係があると認められると,通常の親子関係と同様に「扶養義務」が発生します。この扶養義務が生じさせてから,養育費を求める手続きを行います。
この場合は,父親に,下に書いたいずれかの市区町村役場に認知の届出を提出させて下さい。なお,この届出には期限はありません。
ア 認知する父親の本籍地
イ 認知されるお子様の本籍地
ウ 届出人の所在地
この場合は,まず家庭裁判所に認知を求める調停を申し立てましょう。申立先の家庭裁判所は,相手(父親)の住所地にある裁判所です(2人で決めた家庭裁判所があるなら,そちらでも良いです。)。
申立費用は印紙代1200円で,切手代は裁判所にご確認下さい。
この調停で,双方が合意でき,裁判所の方でも必要な調査して,合意に従っても問題ないとされた場合,審判で認知を認めてくれます。
次に,話し合いで合意にならなければ,家庭裁判所に認知の訴えを起こすことになります。認知の訴えは,相手(父)の生存中はいつでも可能ですが,亡くなった場合は,3年以内という期限があります。
訴えを起こす家庭裁判所は,認知を求めるお子様の住所地でも可能となります。
訴えた場合の手続きでは,父と子との間に血縁関係があるか審理されます。最近ではDNA鑑定で判断されることが多いです。
この鑑定費用(約30万円程度)は,判決が出るまでは一応,双方で折半しなくてはなりませんが,血縁関係が証明された場合は,相手(父)の負担にできます。
そして,血縁関係が証明された場合,認知を認める判決が出ます。
このように,認知がなされて,父子関係が認められれば養育費を請求できます。
養育費について相手と話し合いがついた場合は,養育費の内容を公正証書(判決と同様の効力ある書面)を作成しましょう。話し合いがつかなければ,
家庭裁判所(相手の住所地にある家庭裁判所か,2人で合意した家庭裁判所)へ養育費を求める調停を申し立てましょう。
調停での話し合いがまとまらなければ審判に移行します。
わからない点があれば,弁護士に一度相談されると良いでしょう。