コラム 2020.10.22
いざ、弁護士に相談しようと思っても、「弁護士をどうやって探したらいいかわからない」、「たくさんいる弁護士の中で誰に依頼すればいいの?」と弁護士選びで悩む方は多いのではないでしょうか?
一般の方が弁護士に相談をする機会は、滅多にないことですから、そのような悩みは当然であると思います。また、自分の人生のトラブルについて相談するわけですから、「なるべく良い弁護士相談に乗ってもらいたい」と思うことも当然でしょう。
本記事では、
1.弁護士の探し方
2.良い弁護士の選び方
についてご説明いたします。
まず弁護士を探すには、以下の方法があります。
① 友人知人から紹介をうける
② 法テラスを利用する
③ 弁護士会を利用する
④ 地方自治体の法律相談会を利用する
⑤ インターネットからさがす
上記5つをそれぞれ詳しくみていきましょう。
① 友人知人の紹介
弁護士の知り合いがいる方から紹介を受ける方法です。
紹介してくれる友人が実際に事件を依頼したことがある弁護士なら、その弁護士の仕事ぶりを友人から聞き取ることができ安心です。また、弁護士側としても依頼者の知り合いということで、安心して受任することができます。
② 法テラスの利用
「法テラス」とは国が設立した法律相談所です。
全国に事務所があり、最寄りの弁護士会の法律相談の案内や、お金がないため弁護士費用を負担できない方への無料相談・費用の立替を行っています。
(ちなみに、法テラス愛知は名古屋市中区役所内にあります。)
まずは「法テラスサポートダイアル」にお電話してみてください。
・法テラス愛知(https://www.houterasu.or.jp/chihoujimusho/aichi/index.html)
TEL:0570-078341
住所:名古屋市中区栄4-1-8 栄サンシティービル15階
③ 弁護士会の利用
弁護士会は各都道府県にあり、その地域の弁護士が所属しています。
各弁護士会では、地域内に法律相談センターを設置して法律相談を実施しています。
(名古屋の場合は、名古屋駅前の大東海ビル4階に法律相談センターがあります。)
また、弁護士会では定期的に「無料相談会(事前予約必要)」等も行っていますので、そのような機会を利用して弁護士を探すことができます。無料相談会の実施については、ホームページ等でチェックしてみてください。
・愛知県弁護士会(https://www.aiben.jp/)
④ 地方自治体の法律相談会の利用
都道府県・市町村では、住民を対象とした無料法律相談を行っています。
たとえば、名古屋市では市役所内の市民相談室で、平日午後1時から4時まで無料法律相談を実施しています。時間は15分~30分程度(名古屋市は20分)ですが、無料ですので、弁護士探しのために積極的にご利用なさってください。
詳しくは、お住まいの地域の市町村役場のホームページをご覧ください。
・名古屋市 法律のことは(https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000006096.html)
⑤ インターネット
最近では、たくさんの法律事務所がインターネット上にホームページを開設しています。また、弁護士検索のためのデータベース(「弁護士ドットコム」「ひまわりサーチ」など)も充実してきています。そのため、ネットを使えば手軽に弁護士を検索して探すことができます。
ですが、その際注意していただきたいことは、「インターネット上の情報だけでは弁護士の人となりは分からない」ということです。当たり前のことですが、とても重要です。
弁護士も「職業」ですので、集客のためにインターネットを利用しています。ですから、肩書や事件の処理数、経歴などの情報のみで、弁護士の力量を判断するのは危険です。
インターネットの情報は一つの目安として利用しましょう。その上で、実際に弁護士と会って、話して、ご自分の目で判断されることがとても大切です。
○そもそも良い弁護士って…?
では、良い弁護士とはどのような弁護士でしょうか?
やはり弁護士を選ぶ際に気になることは、「自分の望んだ結果を出してくれるか?」ということではないでしょうか?例えば、離婚とともに慰謝料の支払いを望んでいる場合であれば、「どの弁護士に頼んだら、きちんと慰謝料が取れるか?」ということを当然考えると思います。
しかし、そのような弁護士の選び方には注意が必要です。
なぜなら、まず「絶対勝てる裁判」は存在しません。どんなに優秀な弁護士であっても、結果は事実や証拠・相手の主張次第で大きく変わります。また、自分が望む結果が自分の将来にとってベストな選択であるとは限りません。
ですから、「勝てそうな弁護士」=「良い弁護士」とはいえないのです。
○「勝てそうな弁護士」よりも「信頼できそうな弁護士」を選ぶ
そこで、私の私見としては、「信頼できそうな弁護士」を選ぶことをおすすめします。
信頼できる弁護士かどうかの5つ判断ポイントをご紹介します。
① こちらの話をよく聞く
法律相談では、まずこちらから相談内容を話すことになります。その際に話をじっくりと聞いてくれるかチェックしましょう。
「話を聞く」とは、単に黙って聞くのではなく、質問を交えながら事実を整理するということです。法律相談の内容は、「人には話辛いこと」である場合が大半です。そのような相談者の気持ちを察して、話し辛いことについては適宜質問をしながら、必要な事実をしっかりと整理してくれる弁護士は良い弁護士です。
② 話しやすい
事件を依頼すると、その弁護士とは長期に渡って相談や打ち合わせを重ねることになります。ですから、「話しやすさ」は大変重要です。
話しやすい相手ならば、自然とコミュニケーションがとれて自分の要望が伝わりやすくなります。また、コミュニケーションが取れれば信頼関係も深まります。
実際に話をしてみて、「話しやすいな」「相性がよさそうだな」と感じる相手を選びましょう。
③ 見通しをはっきり示す
こちらの話を聞いて事実を整理した後、弁護士側から事件の「見通し」を聞くことになります。
「見通し」とは、あなたが抱える法的トラブルを弁護士が引き受けた場合に、どのような方法でどんな結果になるかということを弁護士が予想したものです。
その際、甘い見通ししか示さない弁護士には、注意が必要です。
実際は厳しい事件でも、「うまくいきますよ」「大丈夫ですよ」と言って着手金だけ受け取り、仕事をしないという弁護士がいるのも事実です。
ですから、良い結果だけではなく、起こりえる厳しい結果についても、事前に示す弁護士が良い弁護士といえます。
場合によっては、厳しい事件については「私はお受けできません」とはっきりと受任を断る弁護士が誠実な弁護士です。
④ 色々な手段を提案してくれる
法的トラブルの解決方法は、裁判以外にも和解や事前の交渉など様々です。
裁判には時間も労力もかかり、ときには当事者の日常生活にまで影響を及ぼします。
ですので、依頼者の将来のために様々な解決策を示す弁護士が良い弁護士といえるでしょう。
⑤ 料金や時間についての説明がある
契約の段階で、料金や事件解決までにかかる時間についての説明をしてくれる弁護士を選びましょう。着手金の説明のみで今後の料金や方針についての説明が曖昧な弁護士は避けるべきです。
○早めの相談で、じっくりと弁護士選びを!
少し前までは、弁護士を探すこと自体が大変で「弁護士探し」=「弁護士選び」という側面がありました。しかし、今ではインターネットや法律相談などで容易に弁護士を探すことできます。
だからこそ、ぜひ複数の弁護士と面会をしてその中から「ご自分に合った弁護士」を選んでください。
早めに法律相談などを利用して、じっくりと弁護士選びをすることをおすすめします。